4月14日(土)
ニューヨークタイムスの日曜版のトラベルセクションで"Washington DC is turning pink!"というホテルの広告を見る。一晩89ドル。二人だったら一人45ドル?それぐらいで有名なワシントンDCの桜が見られるんだったら‥と思うとうずうずして急にワシントンDCに行きたくなった。友達に話すと"Sounds like a good idea."と言うので、新聞とインターネットでホテルと行き方を調べる。
4月17日(火)
気分はすっかりワシントンDC。友達の仕事の都合で4月27、28日の週末に行くことにする。やはり一番安く行けるのはバスだが5時間もかかる。飛行機ほど高くなく窓からの景色もいいらしいのでアムトラックで行く事にする。一人往復170ドルくらい。3時間半かかるがダウンタウンに着くのでロスは少ないだろう。ホテルは結局一晩89ドルの所は満室で、一晩129ドルのB&B、モーリス・クラークの予約を取る。
4月21日(土)
久しぶりにJNYMUGに行こうと思って家を出たら、ユニオンスクエアのグリーンマーケットにはまって結局行けなかった。巨大な紫陽花の鉢植えに目を奪われて、どーしても欲しくなってしまったのだ。どうやって持って帰るんだあ?と言うぐらい大きい。これが以前のように近くに住んでいたら持って帰るのは楽でもたぶん置く場所がないぐらい狭いし、今のクイーンズのアパートは広いけど持って帰るのが大変。うーん、ニューヨーカーのジレンマだ。結局小さめの白い紫陽花の鉢を選ぶ。蕾がついた桜の枝も売っていて、"Watch it bloom!"とサインがついていた。アメリカ人ももしかして風流を解すのかな?かなり無理して両方を腕にかかえて地下鉄で帰る。こんな時に限って、Nトレインに乗ったつもりがRトレインだった事にクィーンズに着いてから気づく。Damn it! Rトレインの駅から家まではちょっと歩くのだ。前が見えないほどの大荷物を抱えて普段通らない道を通っていたら、家から3ブロックの所に大きめの魚屋を発見。ギリシャ人経営らしい。近所の韓国系の魚屋より新鮮で品揃えもよい。ここは使えそうだ。家に帰って一息つくと、やっぱり家の中に花があるのはいいもんだと実感。
4月22日(日)
今日田中さんと電話で話したら、「ワシントンDCの桜?会社の同僚がイースターウィークエンド(4/13-4/15)に行ったら、『もう桜は終わっていてチューリップばっかりでしたあ。』って言ってたよー。」だって。すごい大ショック。今さらながらインターネットで調べたら、ワシントンDCの桜祭りは3月の終わりに終わっていた。ガーン。よく考えたらワシントンの方が緯度が低いし、桜ってせいぜい一週間しか持たないんだから終わってて当然なんだけど。先週見た広告は今週のサンデイタイムスにもまだ載っているのに~。False advertisementという事でBetter Business Bureauに電話するぞー!
ブルックリンの植物園の桜祭りは来週。それだったらニューヨークに残った方が桜を堪能できたなあ。ホテルはともかくアムトラックって払い戻しできるんだっけ?それともただの小旅行と思って行ってくるか?
とりあえず気を取り直して今日はブルックリンの植物園に行く事にする。田中さんがテニスの帰りに車で迎えに来てくれる。感謝感謝!チケットブースで偶然ヤングとやすこちゃんに会う。人出が多いとは言えすごい偶然。かわいそうな事にやすこちゃんは風邪をこじらせてほとんど声が出ない。桜はまだ3分咲きだったけど、緑がたくさんあって戸外で午後を過ごすのは気持ちよかった。
夜は史朗さんのライブ。家に帰るには中途半端な時間なので、映画"Heartbreakers"を見て時間をつぶす。ライブは9時半からW 72nd St.のトライアッドで。以前はダークスターラウンジだった小さなクラブだ。9時半ちょうどに着くとまだセッティング中で心なしか史朗さんは焦っているようだ。ライブが始まって1、2曲は緊張が見られたが、一曲ごとにリラックスしてきて、セットの最後を飾ったモンクの「Well, You needn't」では史朗さんとメンバーみんなの素晴らしいソロが見られた。ロン・カーターの姿も客席にあった。ビリー・ヒギンスのベネフィットコンサート帰りだったらしい。
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4月24日(火)
イレブンマディソンパークでディナーを食べる。大枝のつつじを何カ所かに効果的にあしらった店内は天井がすごく高くAiryで気持ちがいい。サービスがよい事で有名なダニー・メイヤーのお店だけあって、スタッフはみんな感じがよいばかりか、予約をしてくれた人がオーナーの近い知り合いらしく、シェフ自ら何度もテーブルまで来て問題ないかを聞いてくれる。前菜とアントレの間にはお店からシェフのスペシャルだと言って、各人に一皿ずつ料理が出てきた。デザートも頼んでいないのにサービスで出てきた。料理に関してはスペシャルで出てきたものはおいしかったが、メインコースは意外と平凡な味、というのがみんなの共通した意見。私はポークを頼んだのだが、ウェイトレスが絶賛していた割にはパサパサしていて確かにもう一つだった。こちらではファットを目の敵にする傾向があるので、一般に日本のように柔らかい豚肉にはなかなかお目にかかれない。メニューにポークベリーつまり豚バラ肉、とあったのであえて頼んでみたのだが‥。今度日本に帰ったら食べるもののリストにジューシーなトンカツを入れなきゃ。
4月29日(日)
結局ホテルもアムトラックも無事キャンセルできた。アムトラックはチケット購入後だったのでペナルティーを取られる事を覚悟していたら全額戻って来るらしい。急にアムトラックが大好きになった。
ブルックリン植物園には先週行ったので今週はニュージャージーの桜の名所ブランチブルックパークに行くことにする。電車とバスを乗り継いで行く事約一時間。2700本という桜の本数からかなり期待していたのだが、ソメイヨシノは終わっていて満開の八重桜が点在している程度。ちょっと残念だが、枝ぶりのよい木を選んで桜の木の下でお弁当を広げる。メニューは鮭のちらし寿司、グリル野菜のサラダ、鶏手羽先のスペアリブ。外で食べるとなんで何でもおいしいんだろうね。朝フル回転で作った甲斐があったというもんだ。そのまま寝そべって3時間ほど桜を見上げてぼーっとする。雲一つない晴天に満開の桜。最高。
一つ残念なのは今年もソメイヨシノが見られなかった事。ブルックリン植物園は今日満開だったはずだけど、あそこの桜もみんな八重桜なんだよね。華やかで綺麗なんだけどピンクが濃くて、ソメイヨシノの繊細な可愛らしさとたくさん集まった時のピンクの雲のような光景とはちょっとイメージが違うんだよなあ。ブランチブルックパークの桜祭りは先週末だったらしい。人が多くて混んでいるのはイヤだけど、やっぱりどこも桜祭りの週末が一番見頃だと言うことがよーくわかった。と言うことは3月の終わりにワシントンDCに行って、4月の第一週に福岡に帰って、次の週に東京に寄って、第三週にブランチブルックパークに行って、第四週目にブルックリン植物園に行けば1ヶ月間桜が楽しめるっていう事?そこまでしたらちょっと病的でコワイけど、一応来年の4月のカレンダーをマークしとこうっと。来年こそ満開のソメイヨシノを絶対に見るぞ!
(後日談:後で聞いたところ、ワシントンDCの桜祭りは読みがはずれて、満開ではなかったらしい。うーん、きっと過去何十年のデータと今年の気象状況をつき合わせて関係者が「ここだ!」と決めた日程だろうに、やっぱりプロでも桜の見頃を見極めるのは難しいんだね。)