M A Y, 2001

5月5日(土)
 今週は日本がゴールデンウィークだからいつもより余裕があるかと思ったら、5月7日オープンのハーフノートのi-modeサイトの仕事と映画の原稿を書く仕事が重なって、いつもより忙しいくらいだった。今日も土曜日だけど大半をコンピューターの前で過ごす。
仕事の合間に久しぶりに福岡の林さんの日記をのぞいたら、うっ!私のホームページが見つかっていた。しかもご丁寧にリンクまで張ってある!!と言うことはたぶん林さんの日記をチェックしているブルーノートフクオカ関係者にも見つかったと言うことか?林さ~ん、見つけたなら見つけたって言ってよ~。恥ずかしさで顔から火が出る。2時までかかって一気にアップデイトする。一日でできるんならもっと早くすればよかった。
 
 朝食	クロワッサンとコーヒー
 昼食	ピータン豆腐とクラゲの酢の物
 夕食	かぼちゃの干しエビとにんにく炒め、オクラとろろ
 
  5月6日(日)
 今日もほとんど仕事。家で落ち着いてしまいそうだったけど、クリスチャンがライブをするのに「見に来ないと殺す!」と言われていたので(ホントに英語でそう言ったんです‥)、最後の力をふり絞って9時から出かける。ロビーというイベントで、W21st St.の問屋街のビルの4階にあるシアターを月に2回アーティストに開放しているそうだ。長いドレッドヘアをアップにした黒人女性が物語を語った後が、クリスチャンとマヤのバンドだった。マヤがボーカル、クリスチャンがギター、女性のバックボーカルが二人にDJとラッパーが一人というコンビネーション。全部二人のオリジナルという曲はR&B調あり、ブルース調あり、トリップホップ調ありとバラエティに富んだものだった。来ている人もほとんどアーティストや知り合いの友達という事もあってとてもリラックスしたいい雰囲気だ。最後の曲などはまだ作ったばかりで歌詞もできていないので、バックボーカルの一人が書いた歌詞を試しに歌ってみたり、ラッパーがその場でインプバイズしたり、とアーティストの実験の場ならではの場面もあった。
   5月7日(月)
 仕事のあと恵美ちゃんに髪を切ってもらう。急にお寿司が食べたくなって、波崎で食べて帰る。
   5月8日(火)
 今年初めてガスパチョを食べる。冬のクラムチャウダーと同じように、ガスパチョも季節を感じさせる食べ物だと思う。ニューヨークの春は短いから今のうちにこのいい気候をエンジョイしなきゃ。もうすぐうだるように暑くなるんだろうな。
 6時半から映画「カイエ54」のプレミア試写会に行く。 ブルーノートにもよく出演するラテンジャズミュージシャンをフィーチャーしたドキュメンタリーで、出演者はパキート・デ・リベラ、イリアーニ・イライアス、ミシェル・カミロ、ジェリー&アンディ・ゴンザレス、ガトー・バリビエリ、チャノ・ドミンゴス、ティト・プエンテ、チューチョ・バルデス、カチャオ、ベボ・バルデス、チコ・オファーレル、etc...ラテン・ジャズが好きな人なら誰でも知っているミュージシャンが勢揃いという盛りだくさんな映画だ。ニューヨークの54丁目にあるソニースタジオを各ミュージシャンが一日使って撮影した演奏場面が主で、それ以外に各アーティストの自宅や普段の姿を撮った映像でそれぞれのアーティストを紹介している。にぎやかなパキートの演奏の後には静謐なイリアーニの演奏を持ってきたり、グループによってライブシーンのバックグラウンドの色を大胆に変えたり、チコ・オファーレルのビッグバンドの演奏ではモノクロにしたりといろいろ趣向をこらして変化をつけているのはわかるし、ちゃんと目的を果たしていたとは思うが、ライブシーンが大部分であまりにも多くのアーティストが出演しているので、広く浅くという印象だった。監督はラテンジャズの大ファンだと言うだけあって、とにかくライブシーンを見せたかったんだろうが、もう少しアーティストの数を絞って背景を掘り下げる映像を増やした方が映画としてはおもしろかったような気がする。
   5月9日(水)
 ブルーノートでミシェル・カミロのライブを見る。
   5月10日(木)
 キョーコちゃんとケロピーの結婚式。元々キレイなキョーコちゃんの事だから当然なんだけど、本当に綺麗でした。二人ともホントに幸せそうだったし、バカボンのパパ風に言えば「これでいいのだ」としみじみ感じた。夜はバスタパスタで会食。久しぶりにマッシーや真理さんと会ってゆっくり話す事もできたし、会社休んでホントによかった。人の結婚式に行くと、なぜか「人生」や「幸せ」とか漠然とした事をもっと具体的に考えてしまうよね。きっと無意識に目の前のカップルの姿を自分の状況に照らし合わせてしまうんだろうね。夫婦や恋人同士で結婚式に参加すると家に帰ってから必ずと言っていいほどケンカになると聞いた事があるけど、わかるような気がする。ディナーの席でケロピーに「自分の幸せについて真剣に考えた方がいいよ。」と言われた。考えてるんですけどね、いちお私も。私も二人がニューヨークにいた頃の事を思い出すと同時に、その頃の自分の状況も思い出して、ちょっとセンチメンタルな気分になってしまった。
  5月12日(土)
 マッシーとセイユーさん、二人のお友達と一緒にJoe's Shanghaiでランチ。その後イーストヴィレッジを散策する。久しぶりに以前住んでいた15丁目のアパートの近くに行ってみると、結構変わっているのにびっくり。シーフードがメインの新しいベトナム料理屋とマニュキュア$4.99、マニュキュア&ペディキュア$14.99のネイルサロンを発見。
 ベトナム料理屋の事が頭に残っていたのだろう。夕食は東南アジア風ビーフサラダとPHO風ヌードルスープを作って食べる。
  5月16日(水)
 キップ・ハラハンのマネージャーに招待されてアーヴィングプラザにトートスを見に行く。なかなかおもしろかったけど、前座から3時間立ちっぱなしはほとんど拷問。最近アーヴィングプラザやバワリーボールルームでのライブを見に行くのは体力勝負とつくづく実感。
  5月17日(木)
ブルーノートにフィル・ウッズとジャッキー・マクリーンのライブを見に行く。
  5月18日(金)
 この前デリで食べておいしかったブルーチーズ、洋梨、胡桃のサラダをイメージして作ってみる。材料の相性が絶妙なのだろう。作り方は簡単なのに複雑な味わい。バルサミコ酢のドレッシングはちょっとお洒落でおもてなしにも使えそう。これはかなりのヒットかも。
 もう一品はトマトソースのシーフードスパゲティ。「おいしいのかな~?どのくらい新鮮なのかな?」とちょっと気になっていたスーパーで売っているシーフードミックスを初めて使って作ってみた。玉ねぎとニンニクを炒めて、シーフードミックスを入れ、白ワインでちょっと蒸してからトマトソースとローレルを入れて煮る。薄切りの鷹の爪とオレガノ、バジルなどのイタリアンスパイスを入れて軽く煮込んで出来上がり。適当に作ったわりにはニンニクと唐辛子がたっぷり効いてて、大満足の味。シーフードミックスは思ったよりおいしかった。平日は家に帰る時間に魚屋さんが開いてないから時々使えそう。
  5月19日(土)
 久しぶりに差し迫った仕事がないのんびりした土曜日。夜はブルーノートのオーナーの奥さん、リリーのサブライズ誕生パーティー。BBキングクラブの隣にあるレストラン「ルシールズ」を貸し切って100人ぐらい招待客がいただろうか。パーティーのために生花を使って特別に飾り付けをし、ビュッフェ形式の料理もふんだん。飲み物はもちろんオープンバー。リリーは全然パーティーの計画に気づいてなかったようで、期待に応えてしっかり驚いてくれた。
 正装に近い格好をした招待客が多い中、私たち従業員はつい固まって食べたり飲んだりおしゃべりしたり。内輪で大写真撮影大会のノリになってしまった。招待客は全員10時半のBB キングのライブにもご招待。ライブの初めにBBキングが「今日のショーは特別な女性、ベンスーザン夫人に捧げます。」とアナウンスして「ハッピーバースディ」を歌ってくれる。50歳という節目の誕生日に特別に計画されたとは言え、こんなにお金のかかったパーティーを開いてくれる家族がいて、BBキングが「ハッピーバースディ」を歌って一公演全てを自分に捧げてくれるなんて、これ以上贅沢な誕生日プレゼントがあるだろうか?リリーは本当に素敵な女性で大好きだし、こういう「特別さ」に値する人だから、羨ましいとは思わないが、私の50歳の誕生日はどうなるんだろうとはちょっと思った。BBキングがハッピーバースディを歌ってくれるとはとても思えないが、せめて経済的に不安を感じなくていい状況ではあってほしいなあ。
 公演の後楽屋に行ってBBキングに会い、サイン入りの写真をもらう。一緒に写真も撮ったのに、そのフィルムが入ったカメラをフェルミンはこの後酔っぱらってなくしてしまった!Damn it!!!! フェルミンは酔っぱらうといつもそう。私が知っているこの4年間で少なくとも5つぐらいカメラをなくしている。でも何でよりによって今日なくすのよ~!?興奮さめやらず、4時まで眠れなかった。
  5月20日(日)
 田中さんからランチのお誘い。アストリアのブロードウェイのギリシャレストラン、アンクルジョージでお昼を食べる。ダイナーだからパンケーキとかオムレツがあるだろうと思ったら普通のメニューしかなく、みんな日曜の昼間からボリュームのある肉料理と格闘している。隣の人が食べているのを見て子羊の肉と野菜のレモンソース煮を頼んでみたら、さっぱりして予想以上においしかった。グリークサラダは厚さ1センチ、10センチ角のフェタチーズがグリーンサラダの上に切ったり砕いたりせずにどーんと乗っている豪快さ。なんて事ない味だったけど、野菜がしゃきしゃきして新鮮だったのでマル。帰りにブロードウェイを歩いていて見つけた魚屋で新鮮な鯛を見つけたので買って帰る。夕食は炊き立てのごはんに鯛のホイル焼きとアスパラガスのサラダ。こんなにおいしいものを一人で食べてるとバチが当たるんじゃないかと思うぐらいおいしかった。部屋の掃除をしたり相変わらずのんびりしていたら、仕事のメール。ガーン。ソプラノの最終回を見てから仕事にかかる。今日も寝たのは2時過ぎ。
  5月21日(月)
 相変わらず寝覚めが悪い。今ひとつ調子が出ないまま一日が終わる。  夜はブルーノートでジャズリーチというジャズ教育の非営利団体のベネフィットがあったので見に行く。出演者はジョー・ロバーノ、ビル・フリゼール、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイド、マイロン・ウォルデン、サム・ヤヘール。ちょっとおもしろい組み合わせだし、どんなステージになるのか見るまでは今ひとつイメージがわかなかった。ジョー・ロバーノもビル・フリゼールも個性が強いアーティストなので、同じ曲の中でも二人がそれぞれソロを取っている時はまるで違う曲やグループのように聞こえる。ビル・フリゼールの大ファンの私は彼がソロを取るのが楽しみで仕方なかった。ブライアン・ブレイドのきめ細かいプレイやゴムのようによく動く顔の表情も見ていて本当におもしろい。
 1セット目が終わってこれも寄付金集めの一環でオークションが始まった。観客はほとんど買う気がなさそうで、非常に盛り上がりに欠ける競売の結果、ケネス・コールのバッグが75ドル、トニー・ベネットの絵が250ドルで落札された後、ジョニ・ミッチェルの絵がオークションにかかった。最新アルバム「Both sides now」のアルバムジャケットカバーのジョニが煙草を指にはさんで肘をついているゴッホ風の自画像。見た瞬間思わず「欲しい」と思ってしまった。オークショナーが時価500ドルの絵と言った後、250ドルで入札を募るが、相変わらず誰もやる気を示さない。普通のオークションと逆で250ドルが200ドルに下がり、150ドルに下がり、「100ドルでどうだ!」とオークショナーが再度呼びかける。100ドルくらいだったら何に使ったかわからないような事に使ってしまうより、こんな形に残るものを買った方がいいかも‥と思っていると、誰かが100ドルで入札する。120ドルの声がかかり、私は125ドルで入札。BB キングのPRのロイドが130ドル、私が135ドルと、ロイドと二人で競り合いになる。何となく145ドルくらいまでなら‥と思っていたら、オークションが終わった時には結局私が150ドルで競り落とした事になっていた。オーマイガッド。そんなつもりで来たんじゃなかったのに‥。私ってなんて衝動的なんだろう。でも実はすごくいい買い物をしたのかも知れない。全額ジャズリーチへの寄付だから100%Tax deductableだし‥。市場価値は3倍ぐらいできっとこれからもっと上がるし‥。CDのボックスセット3つ分くらいの値段だし‥。額装だけでも100ドルぐらいするし‥。)
 その後コロラドへの飛行機、ホテル代込みで550ドルというオークションもあり少し盛り上がりを見せるが、私は絵を買った事ですでに盛り上がってしまって、2ndセットが始まっても集中できない。大雨の中、黒いゴミ袋に絵を入れてタクシーで家に持って帰る。ああ、今夜も眠れそうにない‥。
  5月23日(水)
 雄一くんとコタンでご飯を食べて、ブルーノートでパキート・デ・リベラのライブを見る。
 
  5月31日(木)
  喉が痛いよ~。先週の木曜日の朝102度(38度8分)の熱で目が覚めて以来、風邪が治らない。せっかくの3連休もシャーリー・ホーンのライブを見に行った以外は3日とも寝ていたし‥。毎日スープかおかゆか 雑炊しか食べていなかったが、今日初めて食欲が出た。夜は豚肉とザーサイ、豆腐、クレソン、春雨の中華スープを作って食べた。夕方になって やっとちょっと調子がよくなったかな?と言う感じ。今もショウガ湯を飲んでいます。明日は金曜日だし、もう一息、かな。
    


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