O C T O B E R, 2001

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10月28日(日)
 紅葉のピークは先週末か今週か?桜の季節と同じくらい見極めるのは難しい。
 毎年念願で果たせなかったので、今年は早くからカレンダーに印をつけて、10月には紅葉を見に行くゾ!と決めていた。目ざすはキャッツキルのモホンクマウンテンハウス。ここはクエーカー教徒のスマイリー兄弟が1869年に始めた歴史あるプライベートリゾート。ガイドブックによると、マンハッタンから車で2時間。山奥に突然現れるお城のような建物の横にはプライベートレイク。2万6千エーカーの広大な敷地に一歩入れば、宿泊客は敷地内の施設を別荘のオーナーのように自由に楽しむ事ができる。施設は湖のボートや、ハイキングトレイル、テニスコート、バスケットコート、クリケット場、ミニゴルフ場、スケートリンクなど多彩を極める…。うーん期待が高まる。と言ってもテニスやゴルフなんか普段からしないんだけど(笑)。
 宿泊は一晩$300ドルからで最低2日泊まらないといけない。当然のごとく選択肢からはずれる。一人$40ドルのビュッフェランチを予約していざ出発。

【house】

 結論から言うと、いや〜、よかったですよ、ホントに。行ってよかった。あえて言わせてもらえば食事は「ビュッフェだしまあこんなものかな」という感じだったし、建物は“古城”と言うには“古”の部分の方が目立ったけど。(笑)
 食事のあと、勝手がわからないままうろうろしてみたら、ホントに気ままな楽しみ方ができる所でした。“古城”の中にいくつかある雰囲気の違うラウンジでくつろぐのもよし。敷地中に張り巡らされているハイキングトレイルを散策するもよし。湖に面した木のデッキでロッキングチェアに揺られてのんびりするもよし、と。ディズニー映画の上映会など子供向けのイベントやベビーシッターのサービスもあるし、思った以上に家族連れが多いファミリーフレンドリーなリゾートだった。
 私達のお目当てはハイキングだったので、一番傾斜がキツイ代わりに眺めも一番いい展望台に登るコースを選ぶ。その途中、眺めがいいポイントごとに木でできた小さくてカワイイあずまや(と言うのかな?)が置かれているのよ。ところどころで写真を撮ったりひと休みしたりしながらゆっくりしたペースで登る。一番高い所から見た360度パノラマの景色は予想以上に壮大で、一瞬だけどネイティブアメリカンになったような気分だった。
 

【cliff】

 のんびり散策しているとだんだん日が暮れてきて急に気温が下がる。震えながらラウンジに戻ると、暖炉には火がくべてあってアフタヌーンティーが用意されている。震える体に暖かいお茶とお菓子。大げさかも知れないけど、これ以上のもてなしはないと思ったなあ。そのまま暖炉のそばでとりとめもなく話してるともう帰りたくなくなってしまう。
 澄んだ秋の空気を吸って久しぶりにリフレッシュできました。今回はボートに乗るにはちょっと寒かったから、次は春か夏にまた来たいな〜。

【yuugure】

Mohonk Mountain House
Lake Mohonk, New Paltz, New York 12561 Tel:914-255-1000 Fax:914-256-2161
Mohonk Mountain House's Web page

10月13日(木)
 ブルーノートの名物おじいちゃんフェルミンの友人が亡くなる。フェルミンはお葬式に一人で行きたくないらしく、一緒に来てくれと頼まれる。知らない人のお葬式に来てくれと頼まれたのも初めてだが、一緒に行った友人ウェンディが真っ赤なマフラーをしてきたのには驚いた。フェルミンも水色のシャツにポケットチーフ、紺のブレザーにカーキのパンツという出で立ちで明らかに「お洒落」して来ている。こちらはもちろん全身真っ黒の喪服で行ったのに。
 亡くなったカルロスがそうだからだろう。参列者はほとんどがヒスパニックで、ラテン系カトリックのお葬式だった。フラッシングにある韓国系の祭儀場の1室。部屋の奥に白いクロスをかけた細長いテーブルがあり、カルロスの遺骨が入った箱、彼の写真が何枚かと花が飾ってある。参列者はその前に整然と並んでいる椅子に座っているか、部屋の内外に立って知り合いの誰かとあれこれ話している。
 久しぶりに会ったらしい知人が近況を報告しあっている所などは日本のお葬式の風景に似てなくもないが、決定的に何かが違う。まず、写真の前にたって、あげるお線香や手にかける数珠がない事に予想以上の違和感を感じた。自然に手を合わせたくなるけど、周りの人は当然しないし。お線香をあげたり手を合わせる事なしに哀悼の意をどう表現していいかわからず困ってしまった。お坊さんのお話やお経はもちろんないし、弔辞や弔電を読み上げる事もない。儀式的なものはまったくないのだ。そこにいて死者に思いをはせる事に意義がある、ということか。
 それはそれで悪くないけど、自分のお葬式にはやっぱりお経をあげてほしいし、線香をあげてほしいという感情が強くわいてきた。そしてその感情の強さに私自身が驚く。
 ニューヨークで仏式のお葬式というのはできるのだろうか?中国人もたくさんいるのだし、きっとできるはずだよね。今度誰かに聞いてみよう。

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